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九州戯曲賞のはなし②

正直、卑屈な気持ちになることも多かったのです。
ずっとここにいることにコンプレックスがありました。ここしか知らないということ。四畳半というのも、そのコンプレックスから出てきた言葉でした。
鹿児島の端っこで、10年前も今も自分たちのほかには劇団がひとつもない町で、テンション上げてやっていこう、演劇という表現形態を多くの方に知ってもらいたい、と意気込んでも、根がテンション高い方ではないので、現実にぶちあたると、もう長続きしないというか。これはもう自分の性格の問題です。
日々の暮らしの中で、演劇関係者以外の方へ胸を張って、演劇してます、戯曲書いてます、と言いきれなかった部分もあります。飲み込む言葉だけが増えていく。去年は本公演も行わなかったので、こそこそ隠れてやってるような感じすらありました。
思えば、この姿勢がうまく広がっていかない原因のひとつであったのかもしれません。内側に閉じこもりつつありました。そんなことで、演劇を広く認知していただけるわけがなかった。
わたしは気分の振れ幅が大きく、このまま続けてどうなるのか、と思うときもあったし、でも好きだから辞めることもできないままで。
演劇をするとストレスが増す。演劇をしなくてもストレスが増す。
もうどうしようか、という域まで近くなっていた気がします。

今回賞をいただけて、感無量、言葉にならない気持ちです。今も書いていて泣きそうなんですが。

ここに居ても演劇はできるのだ、自分は書いていいのだ、非常口は演劇をやっていいのだ、受け入れてもらえるのだ、と。
もう、それだけで本当に、もう。
ここにいたからやってこられたのだ、とも思えました。
わたしは臆病なので、ずっとその肯定感が欲しかった。10年、ずっと求めてきたものだった気がします。
何と言うか、ありがたすぎて、ありがたすぎて、言葉になりません。
みなさん、自分のことのように喜んでくださって、そのことにも感激しました。

ここからが始まりです。
まずは、小林公演が秋に迫った25馬力さんとの合同公演「ノラと風のバラッド」の成功に向けて動きます。
みなさま、ぜひご来場ください。

何かが変わり、何かは変わらないまま。またきっと迷うし、絶対落ち込むことも多いし、それは変わりませんが、何か覚悟みたいなものができたのは確かです。
非常口も、自分自身も、今まで以上に地道にコツコツ歩いていこうと思います。

今後とも演劇集団非常口をどうぞよろしくお願いいたします。
by sk_anne | 2011-06-22 23:59 | 戯曲

演劇集団非常口・しまだの寝癖に覆われた根暗な頭の中です。どうも。


by sk_anne