番外編長崎行き4
2012年 08月 27日
ひたすら鹿児島へと帰っている。
午前中の軍艦島行きで船酔いしてしまったようでお昼も食べられなかったのだが、だいぶ体調が戻ってきた。
上陸できました。
約10分間の上陸。
本来は30分くらい滞在できるらしいのだが、とにかく波が荒くてなんとか接岸できたような状況で。午後の船は欠航が決まったとのことだった。
見学できるのはごく一部だけだが、それでも柵の向こうには圧倒的な終わり、が広がっていた。同じ地面に立って、内側を想像した。
ここは端島だが、ここは単に昔炭鉱だった無人島ではない。ここにはわたしたちがいる気がした。今生きている我々の世界は永久に永遠に続くものではないのではないか。この今の島の姿でさえ、消えゆく途中なのだ。
人はやがて消えてゆく。町も消えてゆく。うまく言えないけれど、最終的な未来、といってもどこが最終なのかは見当もつかないし自分はあと長くても50年ほどで消えるので、それを見届けることもないわけだが、果てにある姿のひとつを肉眼で見た気がする。
船の上からあの姿が見えた瞬間、ああここにいたんだね、と会いたくて仕方ないひとに会えたような気がした。けれどそれはなんと言ったらいいのか、暴力的な出会いでもあった。決して美しい出会いではなかったと思う。
〜5へつづく〜
by sk_anne
| 2012-08-27 17:01